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11月に新規設定の「メガ10」がトップ10入り、「FANG+」とは異なる10銘柄に集中投資
大手ネット証券3社の投信積立契約件数ランキング(月次)2025年11月のトップ3は前月と同じだった。トップに「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(愛称:オルカン)、第2位は「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、第3位に「iFreeNEXT FANG+インデックス」だった。このトップ3は5月以来7カ月連続で同じだ。第4位は11月に新規設定された「ニッセイ・S米国グロース株式メガ10インデックスファンド<購入・換金手数料なし>」がランクインした。前月第4位の「eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)」は第5位に後退した。また、前月第9位だった「eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)」が第6位に上がった。

ランキングは、定期的に月次の投信積立契約件数トップ10を公表しているSBI証券、楽天証券、マネックス証券の公開情報を使用。各社ランキング1位に10点、以下、順位が落ちるたびに1点を減点し、第10位を1点として、3社のランキング10位までのファンドの点数を集計した。
◆「メガ10」がトップ10にランクイン
11月に米国株は横ばいとなり、「S&P500」が0.13%高で5月以来7カ月連続高を記録した。7カ月間累計の上昇率は22.98%になっている。一方、「NASDAQ総合」は1.51%安と小反落。4月以来10月まで7カ月連騰だった上昇記録が途切れた。「NASDAQ総合」の下落にみられるのは、これまで市場をけん引してきたAI(人工知能)関連株の業績に対する市場の反応が神経質になっているためだ。
11月19日に発表されたエヌビディアの決算は第3四半期の売上高と利益、第4四半期の売上高見通しも市場予想を上回るなどの好決算だったために、市場の波乱要因にはならなかったが、それに先んじて11月4日に発表したパランティア・テクノロジーズが好決算だったにもかかわらず約8%安となり、AI関連株の割高さが強く意識された。また、11月11日に決算を発表したAIクラウド・インフラストラクテャー・プロバイダーのコアウェーブが弱い見通しを発表したため16%安と大きく売られるなど、市場の期待の高さゆえに失望する決算内容にはマイナスの反応も激しい。AI関連株をはじめ、大型テクノロジー株式は、これまでの米国市場をけん引してきただけに、11月のような決算発表期には、その決算内容に神経をとがらせる展開になっている。
11月4日に新規設定された「ニッセイ・S米国グロース株式メガ10インデックスファンド<購入・換金手数料なし>」は、米国の超大型グロース株式10銘柄に集中投資する新しいインデックスファンドだ。これまでの米国市場が「マグニフィセント・セブン」(アルファベット、アマゾン、アップル、メタ、マイクロソフト、エヌビディア、テスラ)と呼ばれた超大型7銘柄に大きく依存してきたが、これら7銘柄に相当するような米国市場に上場するグロース(成長)株の時価総額上位10銘柄に等金額投資するインデックスになっている。同ファンドでは年4回(3・6・9・12月)に組み入れ銘柄を見直すとともに、等金額投資になるように組み入れ比率を調整する。2025年9月末時点の組み入れ銘柄は、アルファベット、アマゾン、メタ、マイクロソフト、エヌビディア、テスラ、ブロードコム、イーライリリー、マスターカード、ビザだ。
「iFreeNEXT FANG+インデックス」は次世代テクノロジーをテーマとしてテクノロジー株の巨大企業10銘柄でインデックスを構成。10月末時点の構成銘柄は、アップル、アマゾン、メタ、アルファベット、ネットフリックス、エヌビディア、マイクロソフト、ブロードコム、クラウドストライク、サービスナウの10銘柄だ。「メガ10」にはヘルスケアのイーライリリーや金融のマスターカード、ビザが入っているのとは大きく印象が異なるポートフォリオになっている。この性格の異なる大型株集中投資型の2ファンドが、ともに積立投資対象銘柄の人気ファンドになった。「メガ10」がトップ10に定着するかどうか注目したい。
◆存在感を高める「日本株」
11月のランキングでは、「eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)」と「eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)」がそろってトップ10にランクインした。国内株インデックスファンドのパフォーマンスは2025年10月末時点で過去1年間のトータルリターンが「eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)」が26.54%、「eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)」は36.48%と、「オルカン」の21.35%や「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の18.94%を大きく上回っている。
また、国内株ファンドは、為替の円高の悪影響の懸念がある外国株を対象としたファンドと違って、株価の動向がストレートに成績に反映されるメリットもある。長らく米国株の後塵を拝してきただけに、これからの国内株式の活躍に期待しようという動きが盛り上がってきているようだ。
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