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「オルカン」の上昇が続く中で「ゴールド」の際立つ強さを評価、人気が低迷したインド株の行方は?
大手ネット証券3社の投信積立契約件数ランキング(月次)2025年9月のトップ4は前月と同じだった。トップに「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(愛称:オルカン)、第2位は「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、第3位に「iFreeNEXT FANG+インデックス」、第4位は「eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)」だった。第5位だった「iFreeNEXT インド株インデックス」は第6位に後退し、第6位だった「SBI・iシェアーズ・ゴールドファンド(為替ヘッジなし)」が第5位に上がった。また、同じポイントの第6位にはトップ10圏外から「三菱UFJ純金ファンド」がランクインした。
ランキングは、定期的に月次の投信積立契約件数トップ10を公表しているSBI証券、楽天証券、マネックス証券の公開情報を使用。各社ランキング1位に10点、以下、順位が落ちるたびに1点を減点し、第10位を1点として、3社のランキング10位までのファンドの点数を集計した。
◆継続して上昇する「ゴールド」の強さ
9月は米国株が続伸し、「S&P500」が3.53%高、「NASDAQ総合」が5.61%高と続伸し史上最高値を更新した。「S&P500」は5月以来5カ月連続で上昇し、「NASDAQ総合」は6カ月連続での上昇を記録している。また、国内の「日経平均株価」も5.18%高で史上最高値を更新し、中国株では「深セン成分指数」が6.54%高、「ハンセン指数」が7.09%高となった。一方、英国の「FTSE100」は1.78%高、ドイツ「DAX」は0.09%安と欧州株は横ばいとなり、8月まで2カ月連続で下落していたインドの「sensex30」は0.57%高とようやく下げ止まった動きになった。
世界的な株高は継続しているが、その中にあって「NY金先物」は9月月次で10.16%高と株価の上昇率を上回る上昇になった。株価が4月に急落した後で出直っていることと比較すると純金価格は一貫した上昇を続けている。このため、2025年の年初からの上昇率は「NY金先物」は46.66%になっており、これは、「S&P500」の13.72%や「NASDAQ総合」の17.34%などを上回っている。主要な株価指数では「ハンセン指数」の33.88%が突出しているが、その水準をも純金価格は大きく上回って上昇している。9月の動きを受けて、改めて「純金(ゴールド)」への注目度が高まった。
◆期待が高かったインド株の人気はじり貧だが・・・
「純金(ゴールド)」に投資するファンドが評価を高める一方で、インド株ファンドの人気は徐々に低下している。9月のランキングでは唯一トップ10に残っている「iFreeNEXT インド株インデックス」が同率第6位まで下落した。1ポイントでも支持を失えばトップ10の最下位、2ポイント以上のマイナスでトップ10圏外に落ちる位置にある。この人気離散の背景はインド株の上昇率の弱さだろう。年初来で「sensex30」は2.72%高と2ケタ成長が当たり前になっている主要国の株価の中では上昇率に勢いがない。
ただ、インド経済の高成長は続いている。インド統計・計画実施省が8月29日に公表した2025年4-6月期の実質GDP成長率は、前年同期比7.8%増だった。国際通貨基金(IMF)が2025年7月に出した世界の経済成長率見通し3.0%を大幅に上回っている。先進国の成長率は1.5%、新興国でも4.1%(インドは6.4%とIMFは予想している)と見通される中で、7%を超える成長率を実績として示しているインド経済の強さは本物といえるだろう。米国との間で貿易問題を抱えるものの、インド経済の心臓である内需は堅調だ。大和アセットマネジメントは、8月にモディ首相が発表した大規模な減税策に注目している。「過去最大の税率変更と言われるほど幅広い品目においてGST税率が引き下げられ、実質的には平均10%程度の大幅な消費税引き下げに相当」として、減税策が施行される9月22日以降のインドの個人消費の盛り上がりに期待している。
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