NISA「ニュース」
7カ月連続上昇の「日経平均」がランクイン、定番の「米国株」に続いて「国内株」人気が定着する?
大手ネット証券3社の投信積立契約件数ランキング(月次)2025年10月のトップ4は前月と同じだった。トップに「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(愛称:オルカン)、第2位は「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、第3位に「iFreeNEXT FANG+インデックス」、第4位は「eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)」だった。このトップ4は6月以来5カ月連続で同じだ。第5位には前月は第6位だった「楽天・プラス・S&P500インデッックス・ファンド」と「三菱UFJ純金ファンド」が上がり、「iシェアーズ・ゴールドファンド(為替ヘッジなし)」と並んだ。トップ10圏外から「eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)」が第9位にランクインした。一方、前月は第6位だった「iFreeNEXT インド株インデックス」は第9位に後退した。

ランキングは、定期的に月次の投信積立契約件数トップ10を公表しているSBI証券、楽天証券、マネックス証券の公開情報を使用。各社ランキング1位に10点、以下、順位が落ちるたびに1点を減点し、第10位を1点として、3社のランキング10位までのファンドの点数を集計した。
◆「日経平均」がトップ10にランクイン
10月は米国株が続伸し、「S&P500」が2.27%高、「NASDAQ総合」が4.70%高となり、いずれも史上最高値を更新した。「S&P500」は5月以来6カ月連続で上昇し、5月以来の上昇率は22.83%になっている。また、「NASDAQ総合」は7カ月連続での上昇(上昇率37.14%)を記録している。「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」や「iFreeNEXT FANG+インデックス」といった人気銘柄に続いて、「楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンド」、「iFree S&P500インデックス」など米国株インデックスファンドが一斉に順位を上げているのは、米国株式市場の先行きに対する期待が一段と高まってきたためだろう。
一方、国内株の「日経平均株価」も7カ月連続で上昇し、上昇率は累計で47.15%になっている。上昇率では米国「S&P500」を大きく上回っている。「日経平均株価」に連動するインデックスファンドを積立投資の対象ファンドにする動きが強まったのは、この上昇力を評価した動きと考えられる。国内株インデックスは、「eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)」が第4位につけ、決して無視されているわけではない。ただ、「TOPIX」の4月以来7カ月連続上昇の上昇率は25.32%にとどまっており、「日経平均株価」との上昇率の差は大きい。かねてより価格変動率が「TOPIX」と比較して大きいといわれる「日経平均株価」は、相場上昇期にあってはより大きな上昇率が期待される。今後、日本株への先高期待が高まるほどに「日経平均株価」に連動をめざすインデックスファンドの人気が高まることになる。
◆明暗を分ける「純金」と「インド株」
「純金(ゴールド)」に投資する「三菱UFJ純金ファンド」が第5位にまで上がってきた。「株式」の配当や「債券」の利子に相当するインカム収益がない「純金」は長期に保有する資産としての魅力が一段低いとみられてきた。インカム収益がなければ価格低迷期にプラスの収益が見込まれず、インカム収益を積み重ねながら価格の上昇を待つということができないためだ。しかし、昨今の純金価格上昇を機に、中長期の積立投資対象として「純金」の価値が見直されている。景気変動等によって「株式」が下落するようなことがあっても「純金」は株価とは別の動きをするため、分散投資の手段としても人気がある。トップ5からさらに高く評価されるようになるのかどうか、注目したい。
「インド株」に対する評価は一段と厳しくなっている。今年2月には第4位にランキングされ、昨年においてもトップ10上位にたびたびランキングされる人気資産だったが、10月には第9位にまで順位を落とし、ネット証券3社のトップ10に入っているファンドは「iFreeNEXT インド株インデックス」だけになってしまった。2024年までは「iTrustインド株式」、「HSBC インド・インフラ株式オープン」など複数のインド株ファンドがネット証券3社のトップ10の中に入っていることが常態化していた。それが、3社合計のトップ10ランキングでも最下位にまで落ちた。インド株「SENSEX30」指数は、先進国株指数が上昇する中で7月、8月に連続して下落するなど上昇に勢いがないことが人気離散の要因といえる。ただ、足元のインド経済は堅調を維持し、中期的な経済成長期待も揺るがない。復調が待たれる。
最新記事
- 7カ月連続上昇の「日経平均」がランクイン、定番の「米国株」に続いて「国内株」人気が定着する?(2025/11/06 17:30)
- 「オルカン」の上昇が続く中で「ゴールド」の際立つ強さを評価、人気が低迷したインド株の行方は?(2025/10/03 17:30)
- 株価の史上最高値で「オルカン」など株式インデックスファンドの上昇続くが上昇率で「ゴールド」にも注目(2025/9/03 17:30)
- 国債の利回りが1%台に、「金利のある世界」での資産運用法(2025/8/20 17:30)
- 「S&P500」史上最高値でインデックスファンドに変化、高配当株式にも注目を(2025/8/06 17:30)
- 「eMAXIS Slim」の「オルカン」と「S&P500」が利用者500万人突破も目立ち始めた格差(2025/7/23 17:30)


