新NISA「ニュース」

新NISAで広がる選択肢、新設ファンドの追加が続き成長投資枠対象商品が合計2164本に拡大

nisa_news_pcimage.jpegのサムネイル画像のサムネイル画像 投資信託協会は2月7日、「新しいNISAの成長投資枠対象商品リスト」を更新した。非上場の対象商品リストに新たに2本のファンドが追加され、非上場商品(一般の公募・追加型投資信託)が1863本、上場商品(ETF、REITなど)が301本で、合計2164本になった。このうち、つみたて投資枠の対象商品は非上場商品で258本、上場商品で7本になっている。つみたて投資枠の対象商品は281本であるため、つみたて投資枠の対象ファンドは、概ね成長投資枠でも購入できるようになっている。2023年12月までは、毎月1回程度のリスト更新が行われていたが、2024年になってからは、対象商品として投信協会に届け出があるたびに順次リストが更新されている。しかも追加商品は新設ファンドが多くなっている。市場のニーズに合わせた新商品が追加されているイメージだ。

 「新しいNISAの成長投資枠対象商品リスト」がわざわざ公開されている背景には、新しいNISAの対象商品になるための条件が厳格に定められているためだ。収益非課税というNISAの恩典を得るためには、国が「資産形成に相応しい」として定めた条件を備えている必要がある。「つみたて投資枠」の対象銘柄の条件は厳しく、まず、債券だけに投資するファンドは除外されている。そして、主要な株価指数に連動するインデックスファンドが対象ファンドの軸として位置付けられている。この連動するインデックスも「指定」されているのが特徴だ。そして、何より運用報酬である信託報酬率に上限が設けられている。また、指定インデックスに連動するインデックスファンド以外では、「純資産残高が50億円以上」、「信託開始後5年以上、かつ、信託期間中の3分の2以上で資金流入超」などの条件がある。

 また、成長投資枠の対象商品については、つみたて投資枠よりも柔軟で、債券のみに投資する投信も対象であり、上場株式(整理・管理銘柄を除く)も対象だ。ただ、投信なら何でもよいというわけではなく、「信託期間20年以上」、「毎月分配型は不可」、「ヘッジ目的以外に先物・オプションを使わない(高レバレッジ型は不可)」などの条件がある。成長投資枠対象商品リストには、これらの条件をクリアした商品が順次追加されていっている。

 最新の追加商品は、1つはインドの株価指数として代表的なNIFTY50に連動した運用成績をめざすインデックスファンド「eMAXIS インド株式インデックス」と、米国株式を投資対象とした「米国株式これ1本(S&P500・NYダウ・ナスダック100)」だ。

 「米国株式これ1本(S&P500・NYダウ・ナスダック100)」は、米国の「S&P500」、「NYダウ」、「ナスダック100」という代表的な株価指数に連動するETFを投資対象とし、その組み入れ比率を調整することによって「S&P500」を上回る投資成果をめざすというユニークなアクティブファンドだ。現在、米国株価は上昇し、「S&P500」、「NYダウ」、「ナスダック100」はそれぞれ史上最高値を更新しているものの、この3指数はやや異なる値動きをする特徴がある。ファンドでは「セクターアプローチ」と「局面アプローチ」という2つのポイントで魅力度の高いインデックスを割り出し、投資配分を決定する。米国株式に投資するファンドとして「S&P500」に連動するインデックスファンドがここ数年の人気を独占してきたが、その「S&P500」をターゲットとして、それを上回る投資成果をめざすという点で注目される。「S&P500」に連動するインデックスファンドの場合、信託報酬率は年0.1%以下の水準で購入できるようになっているが、「米国株式これ1本(S&P500・NYダウ・ナスダック100)」の場合は、投資するETFの管理費用も含めると年0.83%程度(税込み)の運用関連手数料がかかる。この手数料率の差を超えて残高が積み上がるのかどうかに注目したい。このファンドの設定は3月4日だ。

 また、2月に追加された投信では「SBI・V・米国増配株式インデックス・ファンド(年4回決算型)」や「SBI欧州高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)」など、配当利回りが高い株式を主要な投資対象にした株式ファンドが目立つ。これは、1月に追加された「Tracers 日経平均高配当株50インデックス(奇数月分配型)」、「インデックスファンド日経平均高配当株50(奇数月分配型)」などの流れに沿ったものともいえよう。新NISAで「高配当株ファンド」を積立投資するということは、1つのトレンドになりつつあるが、そのような動きも「成長投資枠対象商品リスト」の更新状況から見えてくる。(イメージ写真提供:123RF)

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